高齢者が気軽に外出するためのパーソナルカートを開発し, 操作者とカートとの間隔を一定に保ちながら走行する制御系を設計した。走行条件によってカートの特性は変化するので, 特性変動まで含めた数学モデルを構築することは容易ではない。また, 人が操作するためにはカートの動作にはある程度の余裕が必要であると考えられるので, 制御系はファジィ理論に基づいて設計した。具体的には, 目標速度を決定するために, カートと操作者との相対的な位置, 相対速度, 相対加速度を入力とする走行用ファジィ制御器および, 相対位置, 走行用ファジィ制御器からの出力であるカートの目標速度の変化分および前時刻の目標速度を入力とする停止動作用ファジィ制御器を設計した。制御系を実装し, 実験を行ったところ操作者のペースに合わせた走行を実現できた。