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本研究では、動的スペックルの観察に低コヒーレンス干渉法を適用することで、試料からの散乱反射光のうち直進光成分(試料照射光の波面、偏光を保持する反射光)で形成されるスペックルのみを選択検出する方法を新たに提案する。これにより、強い光散乱を有する懸濁液等内部の移動物体を光源のコヒーレンス長(10∼20μm)相当の奥行分解能で選択検出できると考えられる。また、そのときの動的スペックル強度の時間変動率が移動物体の速度を反映するため、強度の時間差分を調べることで相対速度のマッピングも可能と考えられる。今回は、本方法の基本的な可能性を実験的に考察した。