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本稿では, 我々の提案しているESDSについて, 入力信号に対する追従性能を理論的に検討する. ESDSは, インパルス性雑音が混入したデータに対し, 信号成分を保存しつつインパルス性雑音を除去することができる. 我々は, これまで実用面を重視し, 超音波センサへの適用と評価, 混信の回避など行ってきた. しかし, ESDSは非線形システムであるため, その挙動を解析的に理解することは非常に困難である. そこで, 入力信号としてステップ関数, 一次関数, 二次関数を仮定することによりこれらの入力信号に対する追従性能を明らかにする。その結果, 入力信号に対する追従性能がサンプリングタイム, パラメータに依存する形で明らかになった.