室内環境
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解説
フローインジェクション分析を用いたDTTアッセイによる微小粒子状物質(PM2.5)の酸化能の測定
関根 嘉香熊井 夕貴太田 栞
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2018 年 21 巻 1 号 p. 33-40

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抄録
微小粒子状物質(PM2.5)に含まれる酸化還元活性物質(キノン類など)は,細胞内で酸化還元サイクルを介して活性酸素の産生を助長し,生体に対して酸化ストレスを引き起こすと考えられている。PM2.5の酸化能の測定法としてジチオトレイトール(DTT)アッセイが用いられているが,用いる試薬が光に対して不安定であり,操作が煩雑であるなど実施上の課題があった。そこで筆者らは,DTTアッセイにフローインジェクション分析を適用し,酸化能測定の簡易迅速化を行った。本項では,本法の理論的背景となる酸化ストレスの概念,DTTアッセイの原理を解説し,フローインジェクション分析-DTTアッセイによる屋外および室内PM2.5の酸化能の測定例を紹介する。
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© 2018 一般社団法人 室内環境学会
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