室内環境
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解説
パッシブサンプラー法による室内空気中総揮発性有機化合物(TVOC)の測定
石坂 閣啓川嶋 文人菱田 直樹濱田 典明
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 21 巻 1 号 p. 41-49

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抄録
パッシブサンプラーを用いた室内中の総揮発性有機化合物(TVOC)測定について解説した。TVOCは室内中の揮発性有機化合物の総量を指し,室内空気の汚染状況を把握する為の有効な指標である。これまでの多くの研究でTVOC測定は,VOCの合計値であるSum of VOCsとして実施されてきたが,トルエン換算による評価はあまり実施されてこなかった。新たなシックハウスを未然に防ぐためには,いままであまり検出例のないVOCや未同定のVOCを含む網羅的な測定方法が有効である。室内環境というプライベートな空間の調査は,アクティブ法よりもパッシブ法が適していることから,パッシブサンプラーによるTVOC測定が望ましい。TVOC用パッシブサンプラーの吸着剤には様々な物性のVOCに対して吸脱着効率が高く,サンプリングレート(SR)の高いものを選ぶべきである。パッシブサンプラーによるTVOC測定は,簡易スクリーニング法としては十分な性能を期待できるが,より正確な定量を行う為には,トルエンのSRだけでなく個別のVOCのSRを用いることやクロマトグラムのリテンションタイムに応じて推定したSRを用いるなどの対応が必要だと考えられた。
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© 2018 一般社団法人 室内環境学会
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