抄録
室内環境中の微粒子の発生機構には, 屋外からの侵入, 室内発生源からの発生, 床面等に沈降した粒子の再飛散がある。 大気中を浮遊する微粒子のヒトに対する健康影響は, 1990年代に報告された米国での疫学研究によって注目されるようになり, ヒトの死亡, 呼吸器系疾患, 循環器系疾患等との関連を示す多くの研究が報告されている。 一般に換気は室内空気汚染対策として重要であるが, 一方では大気中の微粒子を室内に取り込む経路となり, 微粒子曝露による健康リスクを高めてしまう可能性がある。 本稿では, 大気中微粒子の発生源, 粒径分布, 化学組成, 粒子形態について物理・化学的側面から概説し, さらに室内への侵入挙動について言及する。