抄録
室内空気中の揮発性有機化合物 (VOC) および準揮発性有機化合物 (SVOC) の分析において,カーボン系捕集管の使用事例は少ない。本研究では,Tenax TAにグラファイトカーボンを含侵させたTenax GR捕集管および球状活性炭を充填したガラス捕集管について,それぞれVOCの加熱脱離法による分析およびSVOCであるフタル酸エステル類の溶媒抽出法による分析への適用性を検討した。VOCの分析については添加回収試験と安定性試験を行い,良好な結果が得られた。フタル酸エステル類の分析についてはVOC分析用として市販されている球状活性炭を充填したガラス捕集管を用いて抽出方法および回収方法を検討し,回収率の良い方法を構築した。また,フタル酸エステル類の吸着剤として近年ISO 16000-33で国際標準化されたスチレンジビニルベンゼン共重合体を用いた方法と本法との並行測定を実施した結果,2法の定量結果は概ね一致した。これらの結果から,カーボン系捕集管がVOCおよびフタル酸エステル類の分析に有用であることが示された。