室内環境学会誌
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シロアリ防除剤クロルピリホスとS-421の処理後約9年間の室内空気中及び精白米中濃度
吉田 精作田口 修三堀 伸二郎
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2004 年 7 巻 2 号 p. 7-15

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抄録
シロアリ防除家屋における有機リン系殺虫剤クロルピリホスと有機塩素系共力剤S-421のヒト曝露の程度についての研究を, 空気および貯蔵米中残留レベルを調査することにより行った。防除処理後5年間の調査結果は既に報告した。今回, 防除処理後5~7年間(家屋B)と5~9年間(家屋F)の空気および貯蔵精白米中クロルピリホスとS-421レベルを報告する。家屋Bリビング空気中のクロルピリホスとS-421濃度はそれぞれ0.005~0.09μg/m3, 0.15~1.03μg/m3の範囲であった。家屋F和室空気中のクロルピリホスとS-421濃度はそれぞれ0.05~0.11μg/m3, 0.01~0.02μg/m3の範囲であった。室内空気中防除剤濃度は季節変動し, 夏期に高く, 冬期に低かった。貯蔵精白米中防除剤濃度は空気中濃度を反映して変動した。家屋Bの室内空気中クロルピリホスとS-421濃度は夏期においては7年間減少せず, 家屋Fにおけるそれらの濃度は防除後9年間で若干の低下傾向を示した。
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