室内環境学会誌
Online ISSN : 2186-4314
ISSN-L : 2186-4314
溶媒への溶解による発泡ポリスチレンからの有害物質の放出に関する研究
勝山 泰郎斎藤 篤志熊谷 一清篠原 直秀藤井 実柳沢 幸雄
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2004 年 7 巻 2 号 p. 1-6

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抄録
発泡ポリスチレンをトルエンとリモネンの2種類の溶媒にそれぞれ溶解させ, 発生した化学物質の定性, 定量をTD-GC/MSを用いて行った。その結果, 発泡剤として使用されているペンタン, 1-クロロ-1, 1-ジフルオロエタン, ジクロロエタンや, ポリスチレンの主原料物質であるスチレンが検出された。溶媒の違いや時間経過による変化が見られないことから, これらの物質は反応などによって生成したものではなく, 発泡剤によって作られた発泡ポリスチレン内の隙間の中に残留していたものであると考えられた。また放散されうるスチレンの量は最大で発泡ポリスチレンあたり5.07×10-2wt.%と求められ, 断熱材として家の外壁等に使用された場合, スチレンの室内濃度は10.1μg/m3となることが試算された。
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