抄録
近年需要が増加している水性形接着剤から、塗布時に放散されるVOC及びアルデヒド類を調査した。市販の一般家庭向け製品6種について、塗布後24時間中に放散する化学物質を測定したところ、酢酸、ブタノール、酢酸ビニルモノマー、酢酸エチル、グルタル酸ジメチル、3-メチル-3-メトキシブタノール (MMB)、ブトキシエトキシエタノール、ウンデカン、ドデカン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド等が検出された。また、酢酸ビニル樹脂系接着剤が学校教材として汎用されていることに着目し、接着剤塗布直後から24時間後までの化学物質放散量を小型チャンバー法により測定し、教室内の濃度推移を試算した。検出された主な物質及びモデル化により求められたそれらの初期放散速度は、MMB183±31.0mg/m2/hr、酢酸164±42.0mg/m2/hr、酢酸ビニルモノマー24.0±2.4mg/m2/hr、ホルムアルデヒド0.54±0.07mg/m2/hr、アセトアルデヒド0.92±0.25mg/m2/hrであった。教室内濃度の試算では(換気回数2.2回)、接着剤塗布によるホルムアルデヒド及びアセトアルデヒドの濃度上昇は最大で約1μg/m3であったが、VOCでは検出された6物質の合計値が670μg/m3と算出され、厚生労働省のTVOC目標値(400μg/m3)を超えていた。放散が認められた主な物質について製品中の含有量を測定したところ、MMB5.8mg/g、酢酸3.2mg/g、酢酸ビニルモノマー0.020mg/g、ホルムアルデヒド0.017mg/g、アセトアルデヒド0.007mg/gであった。