室内環境
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室内環境微生物としてのカビ
高鳥 浩介太田 利子朴 奉柱
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キーワード: カビ, 室内環境, 生態分布, 空気
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2007 年 10 巻 1 号 p. 3-10

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抄録
我々の生活環境中には無数の微生物が存在している。室内環境で重視される微生物として細菌, 酵母、カビがある。細菌, 酵母は高水分,高湿環境に多く, 一方カビは高水分, 高湿環境下に限らず, 乾燥下でも長期活性を維持し続け, カビにとって適条件になると発生する。
特に高湿環境からはCladosporiumが優位に検出される。このカビは室内環境に広く分布しており, 高湿条件が備わると容易に汚染することから湿度には注意を払う必要がある。
Cladosporium, AlternariaおよびMucoralesのほとんどの菌種はAw0.90以下, Aspergillus, PenicilliumはAw0.80以下で, またEurotiumはさらに乾性でAw0.65以下になると発育性が低下する。
本稿では室内環境微生物として重要な位置にあるカビについて生物学および生態学の観点から概説した。
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