室内環境
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室内環境におけるアレルギー疾患の現状-真菌アレルギーを中心に-
秋山 一男
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2007 年 10 巻 1 号 p. 11-16

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抄録
室内環境中アレルゲンとしては, ハウスダスト中のダニが原因アレルゲンとして最も頻度が高く, 重要なアレルゲンとして, 現在もその位置づけは, 変わらない。一方, 真菌は, アトピー性疾患としての気管支喘息, アレルギー性鼻炎, アトピー性皮膚炎においては, IgE抗体を介したI型アレルギー反応として, またアレルギー性気管支肺真菌症や過敏性肺炎等においては, IgG抗体やリンパ球を介したIII, IV型アレルギー反応として関与していることが知られているが, その頻度や重要性については, ダニほどに研究が進んでいない。これまでは, 真菌アレルゲンとしては, ヒト体内常在菌であるCandida, Malasseziaや屋外空中浮遊真菌として頻度の高いCladosporium, Alternaria, Penicillium, Aspergillusがアレルギー疾患の診断用アレルゲンとして商業ベースでIgE抗体価の測定が可能となっているが, 最近は室内家塵中の好乾菌であるAsmgillusr estrictusEurotiumによるアトピー性気管支喘息症例の報告も見られ, またIgG抗体やT細胞抗原としての真菌関連アレルゲン (抗原) の重要性も指摘され, 今後の研究成果が期待されている。
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