抄録
微生物学的空気清浄を要求される場所は, 医薬品製造, 食品製造, 工業製品製造等の分野に加え一般住環境にも広がっている。
そのために, 除菌装置を搭載したエアコンや空気清浄機が市販されているが, 除菌性能を正しく評価する方法は未だ確立されていない。
したがって, HEPAフィルタ等の除菌装置の性能評価法として従来から用いられている方法に, 現在新たに使われつつある試験方法を加え, その有用性について論じた。
また, 空気浮遊細菌は, 時間の経過と共に自然減衰するので, この減衰曲線から得られた回帰式と, 除菌装置稼動時の減衰曲線から得られる回帰式の傾きの差から, 除菌効果の有無を論じるべきことを提案した。