2025 年 37 巻 2 号 p. 160-166
目的:エッチングモードの違いがユニバーサルアドヒーシブをプライマーとした2ステップ接着システムの象牙質処理面の表面自由エネルギー(SFE)に及ぼす影響を検討した。
方法:ユニバーサルアドヒーシブをプライマーに用いたG2-Bond Universal(G2B)と,従来型セルフエッチングプライマーのClearfil SE Bond 2(CSB)およびOptiBond eXTRa Universal(OBX)を用いた。セルフエッチングモード(SE)あるいはエッチ&リンスモード(ER)で被着象牙質面を処理した。次いで,製造者指示条件に従ってプライマー処理を行い,象牙質表面のSFEを測定した。
結果:SEモードにおいては,G2BとCSBはOBXおよびリン酸エッチングを行っていないベースライン群に比較して有意に低いSFEを示した。ERモードでは,G2BとCSBはOBXに比較して有意に低いSFEを示したものの,リン酸エッチングを行ったベースライン群よりも有意に高い値を示した。
結論:プライマー処理後の象牙質面のSFE測定から,G2BはOBXに比較して低いSFEを示した。