抄録
中国の生糸検査について、繊度偏差及び繊度最大偏差の格付の信頼性を調べるため、抽出モデルを設定し、シミュレーション実験を行った。繊度糸本数を半減した場合であっても、繊度編差及び繊度最大編差の成績の期待値には影響を与えず、同一の格付限度を用いることが妥当であることがわかった。
一方、抽出誤差については、繊度糸本数を半減すると40%余り増加し、成績の信頼性に与える影響は、かせ間分散の割合が増加した場合より大きいことがわかった。また、繊度糸本数を半減したときの誤格付率は、繊度偏差では30%~40%、繊度最大偏差では20%~40%増加し、抽出誤差と同様、かせ間分散の割合が増加した場合に比べ、より大きく格付信頼性に影響を与えていることがわかった。