抄録
絹繊維に低温酸素プラズマ処理を行い, 物性の変化を検討した。その結果, 家蚕糸は, 破断強度がわずかに減少したが, 伸長率は上がりヤング率は低下した。これに対して柞蚕糸は, 強度がやや上がり, 伸長率はわずかに低下しヤング率は上昇した。また, 急弾性と弾性変形については両繊維とも若干下がり, 逆に緩弾性は上がった。複屈折測定の結果から, 配向性は両繊維とも高くなる傾向が認められた。これらの結果は, プラズマ活性種による絹繊維分子鎖の部分的切断と分子鎖の再配列等によるものと考えられ, プラズマ装置内の真空度や処理時間等の条件により構造が複雑に変化することが知られた。