日本シルク学会誌
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原著
絹と綿布の熱伝導率の温湿度依存性
山田 晶子成瀬 信子
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2006 年 15 巻 p. 31-36

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抄録
地球環境が温暖化し、人々の生活にも大きな影響を及ぼしている。暑熱気候を少しでも快適に過ごすためには、暑い環境や寒い環境での各種繊維素材布の熱伝導特性を知り対策を図る必要がある。様々な布素材の熱伝導率(山田1997)、絹布はどうして涼しいのか(山田・成瀬2002)について知見を得ることができた。
ここでは、環境の温度と湿度を変えて熱伝導率を計測し、布の熱伝導率は、空気、水分、繊維の各体積率とその熱伝導率の和によって求められることが判った。また、布の熱伝導率のうち繊維(異断面・異方向に並んでいる)の熱伝導率の寄与が最も大きいこと、得られた繊維固有の熱伝導率は、温度の影響よりも繊維体積率の影響が大きいことが判った。
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© 2006 日本シルク学会
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