シルクは力学物性に優れた天然繊維であるが,用途拡大に向け,さらに強度に優れたシルクの開発が待ち望まれている.選抜育種により作出された高強度系統(MC502)と標準品種の原種である日137号を交雑した雑種第一代は,MC502の高強度特性を保持しつつ,MC502より大幅に生糸収率の向上が可能となった.しかし,実用化に向けて重要となる人工飼料の摂食性や登蔟性は検討されていなかった.そこで,MC502と日137号を交雑した雑種第一代の人工飼料の摂食性と登蔟性について検討を行った.正逆交雑ともに人工飼料の摂食性に問題は見られず,現在の養蚕において主流である稚蚕人工飼料育にも対応可能であることがわかった.また,登蔟性については標準品種である日137号×支146号より良好な傾向が見られた.したがって,MC502と日137号を交雑した雑種第一代は,実用化に向け問題となるような要素は無いことがわかった.