総合危機管理
Online ISSN : 2432-8731
仮想通貨が法定通貨となる日
権 純珍
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2019 年 3 巻 p. 7-19

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抄録

近年、仮想通貨(Virtual Currency)の一種であるビットコインが大ブームとなっている。仮想通貨とは、インターネット上で発行取引されるデジタル通貨である。日本の場合、平成21 年6 月に「資金決済に関する法律」という、いわゆる「仮想通貨法」が制定され、その後、銀行法等の関連法が改正され、平成29 年4 月から「仮想通貨法」は施行された。それにより、仮想通貨はモノやサービスの決済等、法定通貨(日本銀行券)との換金も可能となった。そのため、仮想通貨というデジタル通貨の登場・流通は、未来の法定通貨及び金融システムを変えるものとして評価され、紙幣(銀行券)がなくなる時代の到来が目前に迫っている。日本銀行、イングランド銀行(英国)、カナダ中央銀行、スウェーデン中央銀行、デンマーク国立銀行、オランダ中央銀行、中国人民銀行等の世界各国の中央銀行は自らが発行する公的なデジタル通貨を検討中であり、世界各国が仮想通貨というデジタル通貨を、法定通貨と同等なものとして取り扱う日の到来は遠くない。

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© 2019 総合危機管理学会
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