目的:看護管理者を対象とした被災経験の有無による病院災害対応計画の促進を阻む要因を明らかにすることを目的とする。方法: 全国の一般病床200 床以上の病院1342 施設に勤務する看護管理者を対象とした。「参集基準・呼出体制について家族の理解を得ておく必要性の周知」から「災害復旧や長期的な対応を検討するために机上シミュレーション等を実施すること」の5 項目について、それらの実施の有無を選択してもらい、実施を阻害する要因を自由記載で回答してもらった。結果:1342 施設の看護部長に質問紙を送付して回答を得られたのは273 施設の看護部長からであり、回収率は、20.3%であった。阻害要因に関する共起ネットワーク図を求めたところ、「参集基準・呼出体制について家族の理解を得ておく必要性の周知」の阻害要因ついて、「被災有」と強い関連にある語句は「家族」であった。「被災無」と強い関連のある語句は「災害」であった。「登院した職員の行動手順の周知」の阻害要因について、「被災無」と強い関連のある語句は「訓練」と「マニュアル」であった。「災害復旧や長期的な対応を検討するために机上シミュレーション等を実施すること」の阻害要因について、「被災無」と強い関連のある語句は「災害」であった。結論:病院災害対応計画の促進を阻む要因は、被災の有無によって違うこともあり、阻害要因を考慮して計画を促進する必要性が示唆された。
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