抄録
AIや機械学習の医療分野における応用研究が盛んに行われている。様々な種類の医療情報を統合して解析することができれば、予測精度が格段に向上することが予想される。過去の膨大なデータに基づき各患者の予後を正確に予測できるようになれば、オーダーメード医療の提供が可能となる。つまり、膨大なデータベース「医療ビッグデータ」を構築することが最も重要である。様々な医療データベースの作成が試みられているが、実際の臨床現場では、解析できるような状態でデータが保存できていないのが現状である。今後のAIの発展を考えると、解析を行い易い形式でデータを蓄積して行く必要があると考えられる。各診療科や、各職種がそれぞれのフィールドに限るのではなく、全診療科が協力して医療におけるビッグデータ解析を行っていくことが、がんに打ち勝つ社会を形成していく上での今後の大きな課題である。