SIP成果報告書
Online ISSN : 2758-4089
(1)交通環境情報の生成に係る技術開発
⑥GNSS(位置情報)等を活用した信号制御等及び緊急車両情報に係る技術開発
角 建志
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2022 年 2022 巻 1 号 p. 73-79

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抄録

公共交通である路線バスと緊急車両に対する優先信号制御は,現在は路側に設置した光ビーコンを用いたシステムが主流であるが,GNSS(位置情報)と携帯電話通信網を活用したシステムで適用可能とする技術開発を実施した.GNSSを活用することにより,光ビーコンが設置されていない場所でも同サービスを提供することが可能となる.優先信号制御の実証実験では,GNSSにより位置情報と走行速度を継続して把握することで,光ビーコンと比較してバスの青延長時非通過率が88.9%削減され,よりきめ細やかな優先信号制御が可能となることを実証した.また,本技術開発で構築した仕組みを活用して東京臨海地区で緊急走行車両情報(模擬)を自動運転車両へ配信する実証実験を実施した.緊急走行している救急車等の位置情報を自動運転車両に対して提供することで,より遠方から存在を認識することが可能となる.今後は交通環境情報ロードマップに示されている「インフラ協調による高度な自動運転の実用化」実現に向け,本技術開発の成果が早期に社会実装されることを期待する.

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© 2022 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構
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