日本女性科学者の会学術誌
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総説
エクソソーム含有タンパク質によるがん転移機構と診断バイオマーカーの解析
杉浦 圭本城 麻衣星野 歩子
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2023 年 23 巻 p. 31-38

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抄録

エクソソームとは全ての細胞が産生している微小胞で、細胞のゴミ処理機構として知られていた。しかし近年その役割が見直され、細胞間での情報媒体としても機能していることが分かってきている。その機能の幅広さから、がんを含む様々な疾患の機構にエクソソームが関係している可能性が指摘されている。我々はこれまでに、がん細胞はエクソソームをいち早く転移先の臓器に送り込み、その環境を変えることでがん細胞が転移できる場所を作り上げることを明らかにしてきた。本稿では、がんの転移においてエクソソームがどのように転移先を規定し、転移しやすい環境を整えているのか、さらにはがんの早期診断におけるエクソソームが果たす役割について、最新の知見も交えて解説する。

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© 2023 日本女性科学者の会

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