抄録
我々は,角層を剥離することにより活性化された表皮ランゲルハンス細胞に経皮的に腫瘍ペプチドを投与することにより,効率よく腫瘍特異的細胞傷害性T細胞が誘導されることを見出した。この方法に基づいて,ヒトに対するメラノーマワクチン療法を考案し,5年前より始めている。これまでの結果から,本療法は進行性メラノーマに対してある程度の効果があると考えられる。一方,効果が得られるまでに,少なくとも7回以上本療法を繰り返すことが必要であり,迅速にかつ強力な抗腫瘍活性をもたらすための工夫が将来必要と考えられる。