抄録
58歳,女性。初診の約9ヵ月前から右上腕部痛を自覚した。その後,同部の発赤,腫張が出現し近医に入院となる。末梢神経麻痺が出現したため,コンパートメント症候群として筋膜切開を施行された。その後も,腫脹範囲が前腕部まで拡大したため当院を紹介された。腫脹部生検の結果,真皮から筋膜にかけてび慢性に大型の異型リンパ球の浸潤を認め,diffuse large B-cell lymphoma (DLBCL) と診断した。全身検索では右上肢の軟部腫脹の他に,右会陰部皮下に軟部腫瘤,右腋窩に軽度のリンパ節腫大を認めた。血液内科に転科後R-CHOP療法を8クール行い,現在は部分寛解している。本症例は下肢発生ではないが,多発性皮膚病変,円型の細胞形態がみられ,TNM分類でT3bN0M0であることから,予後不良であることが予想された。上肢に蜂窩織炎様の臨床像を呈した皮膚原発DLBCLは調べた限り報告がなく,稀な症例と考え報告する。