Skin Cancer
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ワークショップ1 手術適応が問題となる皮膚悪性腫瘍
転移巣の手術適応
並川 健二郎
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ジャーナル 認証あり

2010 年 25 巻 3 号 p. 288-292

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抄録

皮膚悪性腫瘍の治療を行う我々が関わる転移巣には,皮膚悪性腫瘍の所属リンパ節および遠隔転移巣と,内臓悪性腫瘍からの転移性皮膚腫瘍があげられる。皮膚悪性腫瘍の遠隔転移症例では,がん薬物療法をはじめとした全身治療が原則である。しかしながら現在のところそれのみで良好な治療効果を得られることは少なく,主に悪性黒色腫において,適切な症例の選択により転移巣の切除を含めた局所治療を組み合わせることで時に良好な臨床経過が得られることがある。またそれ以外にも,脳転移巣からの出血や消化管転移による腸閉塞などに対して緊急手術が行われることもある。一方内臓悪性腫瘍からの転移性皮膚腫瘍については,原発巣のがん種に応じた全身治療が原則であるために,これまで切除を含めた局所治療という視点での議論は少なかったように思う。本稿では,主に悪性黒色腫の転移巣および内臓悪性腫瘍からの転移性皮膚腫瘍について,手術適応を考察した。

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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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