Skin Cancer
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CPC1
色素性母斑に合併したと考えられた悪性黒色腫の1例
豊澤 聖子山本 有紀辻岡 馨古川 福実
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2010 年 25 巻 3 号 p. 324-327

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抄録

25歳,女性。生下時より背部正中に黒色斑があった。2008年春頃から,その一部より暗赤色の腫瘤が出現し,黒色斑の周辺にも黒色結節が散在してくるようになり近医を受診した。同年8月5日に暗赤色腫瘤を切除生検された。HE標本では,左右非対称な7mm大のポリープ様の病変で,異型性を伴うメラノサイトが大小の不整胞巣を形成しながら真皮に浸潤している像がみられた。病巣の辺縁基部には隣接して母斑細胞が集簇性にみられ,色素性母斑に合併した悪性黒色腫が疑われた。悪性黒色腫と思われる部分のMIB-1 indexは15%であったの対し,色素性母斑と思われる部分は5%と低値を示した。同年8月20日に拡大切除術とセンチネルリンパ節生検術を施行した。結果,周辺に散在する黒色結節の病理組織像も,Melan-A(+),HMB-45(+),S-100(+)の悪性黒色腫と診断した。また,センチネルリンパ節にも微小転移がみられた。

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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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