Skin Cancer
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メラノサイト特異的タンパク陰性の原発不明悪性黒色腫の1例
木庭 幸子芦田 敦子高沢 裕子大橋 敦子後藤 康文礒部 研一奥山 隆平
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2010 年 25 巻 3 号 p. 353-357

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抄録

69歳,男性。2007年に背部軟部腫瘍を近医で切除され,原発巣不明の転移性腫瘍と診断された。翌年1月には右側胸部に皮下転移が生じ,さらに右腋窩リンパ節と右鎖骨動脈周囲リンパ節,背部皮下と右上腕皮下にも転移が出現した。当院整形外科で軟部肉腫に準じた化学療法が行われ,2009年1月に広汎腫瘍切除術とリンパ節郭清術が施行された。病理組織学的に類上皮様の大型の腫瘍細胞が密に増殖し,S-100陽性,CK AE1/AE3陰性,EMA陰性,HMB-45陰性,MART-1陰性であることから,類上皮型の悪性末梢神経鞘腫瘍と診断された。術後に化学療法と放射線療法が行われたが,副腎転移が出現し両側副腎摘出が行われた。さらに皮下転移が出現したため,同年11月に当科を紹介された。当科紹介時に血清5-S-CDが高値を示したので,過去の組織を用いて免疫染色を行った。腫瘍細胞はMITFとHMW-MAAが陽性であることから,本性例を悪性黒色腫と確定診断を下すに至った。

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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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