Skin Cancer
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皮膚粘液癌(mucinous carcinoma of the skin)の1例
岸本 英樹喜多川 千恵寺石 美香山本 真有子佐野 栄紀
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2010 年 25 巻 3 号 p. 363-366

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抄録

76歳,男性。左頬部に4年前より出現した2cm大の弾性硬で可動性良好な多房性の皮下腫瘤を認めた。表面は毛細血管拡張を伴い,一部水疱様外観を呈し,下床との可動性は良好であった。組織学的に,真皮から皮下に線維性隔壁で境される粘液を背景に,異型性のある腫瘍細胞塊が浮遊する像を認めた。粘液はアルシアンブルー染色pH2.5陽性で,腫瘍細胞はPAS染色陽性であった。免疫染色で腫瘍細胞はEMAとCK7で陽性だが,CK20は陰性で,CEAはごく少数に陽性であった。全身検索を行ったが皮膚以外に粘液癌の原発巣を示唆する所見はなく,皮膚粘液癌と診断した。術後1年を経過した現在,再発や転移はみられていない。

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© 2010 日本皮膚悪性腫瘍学会
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