2011 年 26 巻 3 号 p. 323-326
センチネルリンパ節生検が広く施行されるようになり,原発巣と解剖学的所属リンパ節の間にある「interval node」の重要性が明らかになってきた。今回我々は膝窩部にセンチネルリンパ節を認める症例について検討した。2007年1月から2010年4月まで,宮崎大学皮膚科において原発部位を下腿,足部とする皮膚悪性腫瘍は21例であった。悪性黒色腫が17例,有棘細胞癌が4例で,膝窩部にセンチネルリンパ節を認めた症例は6例(29%)であり,うち転移を認めた症例は1例(5%)のみであった。また,症例の解剖学的分布は踵部4例,アキレス腱部1例,「P領域」(原発巣が踵部からアキレス腱部付近の領域)以外では左足外側1例であった。原発巣が下腿~足部にある場合,膝窩部にセンチネルリンパ節が存在する可能性があり,その認識を持つ事は重要である。