2013 年 28 巻 1 号 p. 94-97
当科で行った有棘細胞癌原発巣に対する放射線療法の効果につきretrospectiveに検討した。症例数は10例(男性7例,女性3例)で,原発巣は頭頸部が7例と大半をしめ,そのうち4例は下口唇であった。腫瘍径が2 cm以下では全例でcomplete responseが得られた。化学放射線療法を行った3例は腫瘍径が5 cm以上であったが2例でcomplete responseが得られた。手術により整容面ならびに機能面で障害を起こしやすい部位に発生した場合や高齢で手術が困難な例には初回治療より放射線療法を積極的に用いてもよいと考えた。