Skin Cancer
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一般演題
腹部の皮下腫瘤として再発した低悪性度子宮内膜間質肉腫の1例
三井田 博田中 典生高橋 完明若木 邦彦
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2015 年 30 巻 2 号 p. 102-107

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抄録

81歳,女性。当科初診の7年前に近医産婦人科で子宮筋腫と卵巣囊腫の診断で膣上部切断術と片側卵巣切除術を施行されている。臍部下方で上記手術創の上方に皮下腫瘤を認めたため,同院を受診後,当科へ紹介された。5.5×4.4 cm大で,石様硬の常色皮下腫瘤であった。切除標本の病理組織で,軽度の核異型を有する卵円形から短紡錘形の細胞から構成された胞巣を多数認め,胞巣内には多数の小血管を伴っていた。免疫組織化学的染色所見ではビメンチン,CD10,エストロゲンレセプター,プロゲステロンレセプター陽性であった。以上の所見から低悪性度子宮内膜間質肉腫(ESS)と診断した。前医の子宮摘出標本の病理を調査したところ,皮下腫瘤と同様の細胞で構成される胞巣が確認されたため子宮原発ESSの再発と考えた。腹部腫瘤を見た場合,婦人科疾患の既往のある患者では特に,ESSの可能性を鑑別疾患の一つに考えておく必要があると思われた。

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© 2015 日本皮膚悪性腫瘍学会
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