Skin Cancer
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Atopic dermatitis like pre-Sézary syndromeの1例
渡邊 総一郎岩田 洋平沼田 茂樹安藤 亜希小林 束高橋 正幸岡本 昌隆松永 佳世子杉浦 一充
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2016 年 31 巻 2 号 p. 179-183

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抄録

58歳,男性。幼少よりアトピー性皮膚炎。ステロイド外用薬,抗ヒスタミン薬の内朊で治療していたが,コントロール不良であった。2008年からシクロスポリン200 mg/日を導入したが,2012年4月より紅皮症を呈し当科へ紹介。表在リンパ節腫脹および可溶性IL-2R高値(7,765 U/mL),異型リンパ球高値(20%)のため,Sézary syndromeを疑い,シクロスポリンを中止したところ異型リンパ球は速やかに減少し皮疹も消退傾向を示した。腹部の病理組織では異型リンパ球は認められず,表皮内の浸潤も明らかではなかったが,血液中のTCR遺伝子再構成を検索したところ,cβ1遺伝子の再構成バンドが確認された。経過および検査所見よりatopic dermatitiss like pre-Sézary syndromeと診断した。現在はプレドニゾロン5mg/日および紫外線療法で小康状態を保っている。

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© 2016 日本皮膚悪性腫瘍学会
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