2017 年 31 巻 3 号 p. 216-221
進行期悪性黒色腫(MM)の治療として抗PD-1抗体(Nivolumab™)が使用できるようになったが,その効果は個人差があり奏効率もいまだ十分なものではない。抗CTLA-4抗体(Ipilimumab™)との併用療法も副作用の増大に較べて効果は低く,その他脳転移例に対して放射線療法後の連続投与の有効性も報告されているが,確かな根拠に乏しい。今回,67歳男性に生じた後頭部MMの術後再発転移に対して,Peg IFN-α皮下注療法後,連続して抗PD-1抗体を投与することで速やかな腫瘍縮小が認められた症例を経験した。両薬剤の連続投与による抗PD-1抗体投与後の免疫関連有害事象(ir-AE)の発現は認められなかった。以上により,peg IFN-α療法に連続した抗PD-1抗体療法は,臨床的に有効で忍容性がある可能性が示されたため,若干の文献的考察を加えて報告する。