2017 年 31 巻 3 号 p. 280-284
20歳代,女性。初診の1年前より背部の皮下腫瘤を自覚し,近医で表皮囊腫を疑われ経過観察していた。背部正中に5 cm大でドーム状に隆起する皮下腫瘤を認め,生検すると内部よりムチン様物質が排出された。病理組織学的所見で,小円形の腫瘍細胞が胞巣状に増殖し,腫瘍細胞はvimentinおよびCD99(MIC2)に陽性であった。細胞遺伝子学的検査で,染色体相互転座t(22;11)(q24;q12)を認め,融合遺伝子EWS/FLI-1の発現が証明された。他臓器に病変を認めず,皮膚原発骨外性Ewing肉腫と診断した。4 cmマージンを取り腫瘍切除術を行い,術後化学療法を施行した。治療終了後3年経過するも,再発転移を認めない。過去の報告と自験例より,皮膚原発骨外性Ewing肉腫は予後が良好であることが示唆された。