Skin Cancer
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耳後部生え際からの植皮によって眉毛を再建した有棘細胞癌の2治療例
菅原 基史上原 治朗土井 春樹大石 泰史本間 大山本 明美
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2017 年 31 巻 3 号 p. 290-293

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抄録

眉毛は表情表出に大きな役割を担っており,外傷や悪性腫瘍切除などにより生じた眉毛欠損は患者にとって精神的な負担が大きい。一方,悪性腫瘍の治療では根治性,再発防止のために十分なマージンをとっての切除が必要となるため,広範な眉毛部欠損を避け得ない症例が存在する。今回,我々は眉毛部の有棘細胞癌の切除術によって眉毛が欠損した2症例に対して,耳後部生え際から採皮した頭毛を含んだ全層植皮術により眉毛再建を施行した。再建された眉毛は自然な眉毛に近い毛流や毛の軟らかさをもち,整容的に満足できる結果が得られた。耳後部生え際の頭毛は眉毛と太さ,毛の柔らかさなどの性状が近く,手術痕は髪の中へ隠すことができるため優れた再建方法と考えた。

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© 2017 日本皮膚悪性腫瘍学会
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