2017 年 32 巻 1 号 p. 95-99
73歳,男性。4ヵ月前より左踵部に赤色の糜爛と疼痛を認めたが自己処置で対応していた。徐々に増悪し皮膚科を受診,2週間の軟膏処置も改善なく悪性腫瘍疑いで当科紹介となった。初診時には潰瘍形成と周囲への染み出しや散在する黒色病変を認め,ダーモスコピーは皮丘性パターンであり生検を施行し,悪性黒色腫の診断となった。左鼠径部と左膝窩に腫大したリンパ節は触知せず,PET-CTでもリンパ節への集積を認めなかった。術前にエコーでリンパ節を確認し,術中に色素法とインドシアニングリーン(ICG)蛍光法を併用し左鼠径と左膝窩のセンチネルリンパ節を生検,膝窩リンパ節の転移を認め後日膝窩郭清術を行った。悪性黒色腫の膝窩リンパ節転移は報告例が少なく,初回手術時に診断し得た報告はさらに少ない。今回ICG法が膝窩センチネルリンパ節の検出に有用であったため,若干の文献的考察を含めて報告する。