Skin Cancer
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Sister Mary Joseph’s noduleの4例を含む当科で経験した転移性皮膚腫瘍48例の臨床的検討
箕輪 智幸栁澤 健二加賀谷 真起子髙橋 博之後藤田 裕子
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2018 年 32 巻 3 号 p. 295-301

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抄録

過去17年間に当科でSister Mary Joseph’s nodule(以下SMJN)と診断した4例を経験した。さらに同時期に臨床的および病理組織学的に診断した転移性皮膚腫瘍44例を経験した。SMJNを含めた転移性皮膚腫瘍48例に対し原発巣,皮膚転移出現部位および時期などについて検討した。転移性皮膚腫瘍48例の原発巣の内訳は肺癌(11例)が最も多く,次いで膵臓癌(5例)であり,膵臓癌の5例中3例がSMJNであった。また,原発巣より先行して皮膚転移が発見された症例は,SMJNを除いた44例では1例であったのに対し,SMJNでは4例中2例(2例とも膵臓癌原発)が先行して発見された。SMJNは他部位の転移性皮膚腫瘍と比較し内臓悪性腫瘍発見の契機となりやすいため,臍部腫瘤を認めた際には内臓悪性腫瘍の転移を念頭に置くことが重要である。

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© 2018 日本皮膚悪性腫瘍学会
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