2018 年 33 巻 1 号 p. 22-29
症例1は64歳,女性。膣原発の悪性黒色腫切除後,肺転移,脳転移を認めた。ニボルマブ7コース施行後に劇症1型糖尿病,イピリムマブ2コース施行後にTSH低下が先行する甲状腺機能低下症,3コース施行後に重度の下痢を生じた。副作用は強かったが,脳転移は放射線照射併用で消褪した。症例2は38歳,男性。右足底原発の悪性黒色腫切除後,皮膚に多発転移を認めた。ニボルマブ投与で皮膚転移の進行は抑えられていたが,8コース施行後,発熱,嘔気が持続するようになり,重度の甲状腺機能亢進症,肝機能障害を生じた。2症例とも免疫チェックポイント阻害薬投与で悪性黒色腫の転移巣に対する治療効果を認めたものの,重度の免疫関連副作用を生じ,一時,免疫チェックポイント阻害薬投与の中断を余儀なくされた。免疫関連副作用の発見には注意深い経過観察が必要であり,早期対応が重症化を防ぐポイントになる。