2018 年 33 巻 1 号 p. 17-21
53歳,女性。左大腿悪性黒色腫に対し外科治療を行い,tumor thickness12 mm,pT4aN2aM0 stageIIIAと診断し,術後経過観察を行った。術後5ヵ月で肺転移が出現したため,DTICによる治療を3コース行ったが効果を認めず,ニボルマブによる治療に変更した。投与開始後,一時肺転移巣の縮小が得られたが,その後増悪し皮下多発転移が確認された。そのためイピリムマブに薬剤を変更した。イピリムマブ4回投与後に重度の摂食障害を来し,上部消化管内視鏡検査を行ったところ急性胃炎の状態が確認され,プレドニン内服20mg/日を開始し,症状は速やかに改善した。本症例を通じて,免疫チェックポイント阻害薬を使用する場合には,大腸炎のみならず上部消化管においても粘膜障害を来す可能性を考え診療にあたる必要があることを認識した。