2018 年 33 巻 1 号 p. 61-65
40歳,男性。約1年前に右示指の色素斑を自覚,緩徐に拡大,色調が濃くなった。初診時,右示指の指腹に20×13 mmの褐色斑あり,濃淡や境界は不明瞭だった。ダーモスコピーでは皮丘平行パターン,皮丘に大小,濃淡のさまざまな色素小球があった。切除・植皮術を行った。病理組織では,異型性に乏しいメラノサイトが表皮基底層に沿って分布,皮丘部表皮索優位に増数していた。術後1ヵ月で右中指にも同様の褐色斑が新生した。示指,中指ともに経過観察とした。術後8ヵ月で右中指の褐色斑が自然消退,10ヵ月で再び出現,現在も経過観察中である。ダーモスコピー検査で皮丘平行パターンを呈した場合,悪性黒色腫を強く疑う所見であるが,例外的に良性病変も報告されている。本症例は何らかの反応性病変の可能性があるが,既存の疾患に合致せず,診断に苦慮したため報告する。