2018 年 33 巻 2 号 p. 148-153
88歳,男性。初診の半年前から上背部に痒みあり。初診時,上背部正中に65×28 mmと28×22 mm大,右後腋窩に22×18mm大の紅色腫瘤を認めた。可溶性IL-2レセプター788 U/mL。病理組織学的には,真皮を主座として,一部皮下脂肪織に及ぶ稠密な細胞浸潤があり,リンパ濾胞構造なし。浸潤細胞は異型性に乏しいリンパ球様細胞で,多くは小型であり,中~大型細胞が混在した。免疫組織学的には,小型の細胞はCD3陽性細胞とCD20陽性細胞が混在し,中~大型細胞はCD20陽性,一部はCD30陽性だが,過半数を占める増殖像ではなかった。遺伝子再構成は検出されず。皮膚偽リンパ腫と診断。上背部正中の腫瘤は,トリアムシノロンアセトニド局所注射にて徐々に縮小・消失した。右後腋窩の腫瘤は局所注射することなく,消褪した。その後,1年6ヵ月再発はない。今後,悪性リンパ腫の発生に対して慎重に経過観察する必要がある。