2021 年 36 巻 1 号 p. 16-20
68歳,女性。色素性乾皮症の既往があり,約3年前に顔面の基底細胞癌の手術治療目的に当科へ紹介され受診した。顔面の多発する基底細胞癌や有棘細胞癌に対し,複数回切除術を施行した。外来通院で経過をみていたところ,新たに左頬部に褐色斑と黒色斑が混じる病変が出現した。ダーモスコピー所見より皮膚悪性腫瘍を疑い,局所麻酔下に全切除生検を施行した。病理組織学的検査で,同一病変内に悪性黒色腫と基底細胞癌の所見を認めたため,collision tumorと診断した。
悪性黒色腫と基底細胞癌のcollision tumorは稀であり,臨床的に診断するのは難しい。Collision tumorの可能性も念頭に置き,ダーモスコピーで病変全体を詳細に観察することが重要である。