2021 年 36 巻 3 号 p. 212-217
進行期悪性黒色腫の術後再発予防のため,術後補助療法が保険適応となった。単一施設での術後補助療法の詳細な解析は,治療選択で有用な情報となる。
BRAF変異陰性の12例は抗PD-1抗体での術後補助療法を行い,3例が完遂でき,完遂後1年で1例が再発した。また,12例中9例は投与中に再発あり,再発時期の平均は治療開始5ヵ月後であった。BRAF変異陽性の7例のうち,3例は抗PD-1抗体にて全例が完遂でき再発もなかった。残りの4例はBRAF/MEK阻害薬にて3例が完遂でき再発もなかった。1例は横紋筋融解症で中止し,5ヵ月後に再発があった。BRAF変異陰性で抗PD-1抗体の術後補助療法で再発した10例は,9例がニボルマブとイピリムマブの併用療法,1例がダカルバジンで治療した。ニボルマブとイピリムマブの併用療法の奏効率は33%であった。