2021 年 36 巻 3 号 p. 218-223
PET-CT検査は皮膚癌においても,悪性度や転移の検索として有用であるが,基底細胞癌に対するPET-CT検査の報告は少ない。今回,顔面基底細胞癌17例に対して術前PET-CT検査を施行したため,その結果について報告する。17例中3例ではFDGの明らかな集積を認め,3例では軽度集積を認めた。集積を認めた症例は,いずれも長径は全て10mm以上であった。しかし,長径が10mm以上の症例でも5例は集積を認めなかった。集積を認めた症例の組織型は,結節型が3例,腺様型1例,浸潤型+斑状強皮症型1例,表在型+浸潤型1例と結節型が多かったが,長径15mmの結節型の症例でも集積を認めないものもあった。一方,術前に無症状の悪性リンパ腫を発見したものが1例,有棘細胞癌を発見したものが1例あった。また,術前に軽度集積を認めた1例で,術後1年のPET-CT検査にて,術前には認めなかった肺小細胞癌を発見した。