Skin Cancer
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投稿論文
50代男性の右肩峰部に発生したpleomorphic dermal sarcomaの1例
籠浦 英里子森山 太陽内野 かおり青木 久尚
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2021 年 36 巻 3 号 p. 245-253

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抄録

症例は59歳,男性。半年前より右肩に腫瘤が出現し,1ヵ月後に一度消退した。その後,数週間の間に再度急速な増大を認めた。初診時,外方性に発育する60mm大の緊満した腫瘍を認めた。手術時の所見では深筋膜への浸潤はなく,皮下組織層まで切除した。術後の病理組織学的検査では悪性腫瘍である診断はついたものの,詳細な診断には外部へのコンサルテーションのため時間を要していた。その間にも術後13日目には創部に再発を示唆する発赤を認めた。急速に増大する腫瘍であったことからも,早急に拡大切除を行う必要を考え,初回切除から21日目に再手術を行った。前回の手術瘢痕周囲に出現した発赤から2cmのマージンを取って切除し,下床は僧帽筋まで含めて一塊に切除し,傍肩甲皮弁で再建した。病理組織学的検査にてpleomorphic dermal sarcoma(以下 PDS)と診断した。術後13ヵ月時点で局所再発や転移は認めていない。

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© 2021 日本皮膚悪性腫瘍学会
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