Skin Cancer
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一般演題
ニボルマブ・イピリムマブ併用療法により好中球減少を来した1例
大西 友理大下 彰史中江 真沢田 広子小森 敏史浅井 純加藤 則人
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2021 年 36 巻 3 号 p. 241-244

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抄録

37歳,女性。他院で外陰部悪性黒色腫に対して腫瘍切除術およびセンチネルリンパ節生検術を施行され,stage ⅢB(pT3aN1aM0)と診断された。追加治療目的に当科を紹介され受診した。リンパ節郭清術は施行せずニボルマブによる術後補助療法を施行していたが,18回投与後に下腹部にin-transit転移を認め外科的切除を行った。遠隔転移を認めなかったため,その後もニボルマブ投与を継続した。しかし計32回投与後に多発遠隔転移を認め,ニボルマブ・イピリムマブ併用療法に変更した。投与開始7週間後に肝機能障害(Grade 3)を認め,PSL 40mg/日の投与を開始した。数日後に肝機能は改善したが,続いて好中球減少(Grade 4)を来した。G-CSF投与とPSL 60mg/日に増量したところ,9日後に好中球数は改善した。免疫チェックポイント阻害薬では多彩な副作用が起こり得るが,好中球減少を来した報告は少ない。好中球減少の副作用は重症化する事があり,早期からの治療介入が必要である。

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© 2021 日本皮膚悪性腫瘍学会
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