Skin Cancer
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鼠径・骨盤内リンパ節郭清の治療を行った悪性黒色腫8例について
柴田 真一安江 敬榊原 章浩吉野 能吉川 羊子富田 靖
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2005 年 20 巻 2 号 p. 150-153

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抄録

センチネルリンパ節生検の概念が普及した現在では, 悪性黒色腫の鼠径リンパ節郭清は, センチネルリンパ節で転移を認める場合や臨床的に明らかにリンパ節が腫脹している場合が適応とされるようになってきた。しかし鼠径リンパ節転移を認めた場合の骨盤内リンパ節郭清の適否は施設間によってさまざまなのが現状である。我々は1999年4月~2003年10月までに悪性黒色腫の鼠径リンパ節郭清を23例行った。そのうち, 鼠径リンパ節が明らかに腫大している症例, 鼠径部のセンチネルリンパ節転移陽性で原発腫瘍の厚さが4mm以上, もしくは潰瘍を伴う症例の計8例に対して骨盤内リンパ節郭清も行った。その8例中2例に骨盤内リンパ節に転移を認め, さらに術後1年半以内に多臓器転移を認めた。これらの経験をもとに骨盤内リンパ節郭清の適応と意義について考察した。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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