2005 年 20 巻 2 号 p. 190-196
悪性黒色腫のダーモスコピー画像ではblue-white structures (BWS: blue-whitish veilとregression Structuresを含む) などにおける特有の色が知られているが, 色情報を用いた診断は主観的になされていた。今回, 悪性黒色腫75例, Clark母斑188例, Spitz母斑56例のダーモスコピー画像を用い, 色情報のコンピュータ解析を行った。まず, 色を4096階調に分け, その中からClark母斑に比較的少ない色で, 悪性黒色腫またはSpitz母斑に多くみられる色として, その面積比を用いてそれぞれ21色と9色を客観的に検出した。検出された色にはBWSの色や無色素性悪性黒色腫に特有の色が含まれた。悪性黒色腫とSpitz母斑には共通する色が7色存在した。色情報のみでClark母斑を検出することなく, 悪性黒色腫28症例 (37.3%) を検出した。