Skin Cancer
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術後24年目に全身転移を生じた手指の悪性黒色腫の1例
桑原 広昌村尾 尚規ウイ リシア菊地 慶介皆川 知広蕨 雄大堤田 新杉原 平樹
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2006 年 21 巻 1 号 p. 41-44

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抄録

70歳, 女性。45歳時に左小指爪下の悪性黒色腫に対して, 指切断術を行った (Stage IA)。 術後10年間の経過観察中に局所再発や転移は認められなかった。術後24年目に左乳房に出現した腫瘤を, 当院外科で摘出したところ悪性黒色腫であった。当科へ転科して全身検索を行った結果, 左腋窩リンパ節, 両鼠径リンパ節, 全身の皮下脂肪織, 肺, 肝への転移を認めた。治療はDAC-Tam療法を3コース行った。各リンパ節転移, 皮下脂肪織転移巣および肺転移巣は縮小あるいは消失した。肝転移に対しては, TAEおよびCDDPとIFN-βの肝動注を行ったが, 不変であった。その後の経過中に脳への多発転移が出現し, 不幸な転帰をとった。

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© 日本皮膚悪性腫瘍学会
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